睡眠時無呼吸症候群
■いびきの治療と睡眠時無呼吸症候群による問題
通常「いびき」と言えば「歯ぎしり」同様、家族や友人から「うるさくて眠れない」と言われる代名詞です。まれに自分のいびきの音で目が覚めることもあるでしょうが、いびき=睡眠障害(病気)を疑う人は少ないと思います。いびきは自他の睡眠の妨げになるばかりではなく、深刻な症状を示す場合もあるため注意深く観察する必要があります。
いびきのうち特に注目され始めているのが「睡眠時無呼吸症候群」Sleep Apnea-HypopneaSyndrome:SASです。文字通り寝ている間に無呼吸になります。
睡眠時無呼吸症候群の定義は「一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸が30回以上おこるか、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上の場合。」とされており重度の症例では呼吸困難になり死を招くなど 生存率の低下(死亡率増加)が低下します。
SASは睡眠中酸素不足になりやすいため、日中の眠気や集中力不足に陥りやすく、交通事故など多くの重大事故の原因となることもあります。さらに精神不安定などの症状が現れることにも注意しましょう。
=重大事故=
1993年アメリカでは睡眠障害調査委員会が合衆国議会とアメリカ保険福祉省長官へ「Wake up America」という警告書を提出し、睡眠呼吸障害の危険性を広めています。
警告書では重大事故の例としてスリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故、スペースシャトルチャレンジャー号事故、アラスカ沖タンカー座礁事故など多数を取り上げています。日本では1997年より国の支援で専門家が中心となり様々な方面の研究および活動がなされています。